健康できれいな歯並び、調和のとれた美しい顔貌は、女性のみならず男性でも好感を持つものです。
矯正治療の目的は、身体面と精神面の向上にあります。健康面では、出っ歯や受け口、乱杭歯などをきれいな歯並びにして、むし歯や歯肉の病気を防いだり、よく噛めるようにして、お口の健康とひいては全身の健康を計ることにあります。
健康面とともに見逃してはならないのは、精神面への影響です。調和のとれた美しい顔貌を作り出し、歯並びの乱れから生じるコンプレックスを取り除くことも、大きな目的の一つです。そして実際の矯正治療は、歯を動かしたりあごの発育をコントロールしたりして、自分の歯できれいな歯並びと噛み合わせをつくるもので、さし歯や冠を入れることとは技術的に全く異なる歯科の一分野なのです。
きれいな歯並びになったら、きっと口元を気にしないで、大きな口を開けて笑えますよね。
そして、噛み合わせが悪いと・・・
きれいな歯並びと、正しい噛み合わせは、人の心と体を健康に保つ大事な役割を持っているのです。
簡単にいうと、歯をあごの骨の中で長い時間をかけて、少しずつ動かし、悪い歯ならびを治す、これが矯正治療です。
矯正装置を使ってゆっくり動かし、動いた後は固定するまで待つので、症状によっては2~3年はかかる場合もあります。
ポイントは、あごの骨を切って短期間に治す外科的方法とは違い、あくまでも歯を動かして治す治療だということです。歯とその周囲の歯槽骨(しそうこつ)との間には、繊維に富んだ歯根膜(しこんまく)という組織があります。
動かしたい歯に矯正装置で適度な力を加え、この歯根膜を圧迫すると、そこに骨を吸収する細胞が現れます。
反対側の引っ張られる歯根膜には、骨を作るもとになる細胞ができます。そうすると歯はゆっくりと動きだすのです。これは歯が、骨の中を通って自然に生えてくるときに起こっている変化と同じメカニズムなんです。
矯正治療は、不自然な位置にある歯や顎の位置を整え、正しい咬み合わせや美しい歯並びを作り出すことで心身を健康にすることです。